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国際ロータリー第2530地区 社会奉仕委員会

東日本大震災に思う2010-11年度ガバナー 大橋 廣治

  2011年3月11日午後2時46分。この日この時刻を境に国民生活を根底から覆した。人生も変わった。

 相双地区・いわき地区の風景は一変した。
 
 何もかも失い、寒空の下で震えるしかなかった被災者たち。当たり前が当たり前でなくなった。自然の脅威の前に圧倒された。

  まさに徒然草にある「世は定めなきこそいみじけれ」の光景である。
 
 第2530地区では3人のロータリアンを亡くし、未だに例会がままならないクラブが相双地区に6クラブある。そういう中にあっても、一つのクラブの終結もなく一人の退会者も出ていない。これはまさに奇蹟としか言いようがない。

 あるロータリアンは「最後の4人になってもロータリークラブを継続していきたい」と涙ながらに避難先で訴えておられた。ロータリーに対する思いに感動させられた。

 この度の被災に際し、国内はもとより台湾、アメリカを始め世界各国、各地区、そして米山学友会から多額の義援金、支援物資そして善意が送られてきた。まさにロータリーのインターナショナル、見返りを求めないロータリー・ロータリアンの思いやり、友情を改めて感じたのであります。この受けた恩義を第2530地区2400名のロータリアンは石に刻み、いつかお返しせねばならないと肝に銘じております。

 第2530地区「フクシマ」は他被災地区と異なり、何時収束するか分からない原発の放射能汚染の風評被害に悩まされている。農・水産物は買ってもらえない、肉牛も出荷停止、子供達は他地区に避難され人口流出が止まらない。観光地も閑古鳥が鳴いている始末である。世界一平和な国で自殺者は増え続けている。戦後日本はひたすら利便性、効率性そして物の豊かさを際限なく追い求めてきた。そして今回、原発事故を引き起こし放射線漏れとなった。その結果国際社会から信用を失い、国への不信感、怒りは日に日に募りいかんともし難い諦観、虚無感が増幅するばかりである。

 
   ロータリアンとして一番大事なことは約束事を守ることであります。つまり信用・信頼であります。これがなければ世の中は成り立ちません。その責任感が今、日本人から失われようとしております。政府、原子力安全保安院、原子力安全委員会、東京電力などの発表はあたかも太平洋戦争における大本営発表を思わせます。無責任であります。被災された方々は日夜必死になって避難生活の中で家族を守り復旧・復興に努めております。我々ロータリアンは今こそロータリーだからできる奉仕活動を展開していかねばなりません。マーティン・ルーサー・キング牧師は「一人ひとりが偉大な行動を起こす力を持っている。名声のためではなく、大義のために行動するのだ。人の素晴らしさとはいかに他人のために尽くすかで決まるからである」と言っております。

 日本は今まで多くの国難に遭遇してきた。しかしその何れをも乗り越えてきた。日本人はどんな困難にも立ち向かうDNAを持ち備えております。有史以来といわれるこの度の東日本大震災も必ずや乗り越えることができると確信しております。そして希望をもって元の「うつくしま、ふくしま」に戻ろうではありませんか。がんばろうロータリアン。がんばろうふくしま。
 
 




パストガバナーメッセージ

2010-11 大橋廣治
2011-12 根本一彌
2012-13 伊藤 浩
2013-14 渡邉公平
2014-15 野ア 潔
2015-16 酒井善盛

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