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国際ロータリー第2530地区 社会奉仕委員会

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震災・原発事故と福島の女性たち 2015

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心潤びる時間を                               飯間香保子【いわき市】
 平成23年3月11日(金)いわき市内の中学校は卒業式。私はその日、不登校の生徒のために特設した午後の卒業式に参列していた。

 市の家庭相談員として約2年間かかわってきた生徒の強い希望で参列し、祝辞を述べて帰路に着いたのが午後2時40分。

 そして午後2時46分!国内観測史上最大マグニチュード9.0を観測する大地震が発生した。

 宮城県で震度7の激しい揺れに見舞われ、いわき市でも震度6弱を記録。

 さらに東北・関東の太平洋沿岸を巨大津波が襲った。それに東京電力福島第一原子力発電所の事故も追い打ちをかけ、未曽有の大災害となった。


 以来、日本赤十字社賛助奉仕団の事務局長として、会員の協力を得て義援金を集めて市内の津波被害を受けた小・中学校4校に贈呈した。(豊間小・豊間中・四倉中・永崎小) さらに我が奉仕団では、双葉郡から避難している楢葉北小・中学校や広野小学校の仮設校舎の花壇にサルビア・ベゴニア・マリーゴールドの苗を子ども達や先生方と植える活動も行っている。

 また、日本赤十字社の指導講師として、市内および県内各地で講演させていただいている。講演のタイトルは様々であるが「大震災後‥いかに心身の健康を保ち、復旧・復興の日々に挑むか」というテーマが基本である。そこで提案するのが『心が潤びる時間を持つこと』

 あれから4年と数か月が過ぎても心はいつも身構えていることは否定できない。多くの人々の
体験談も聞いた。救助犬が死体の発見ばかりで神経が参ってしまった話、消防団員が数か月に及ぶ捜索活動と遺体処理活動で不眠症になりアルコールに頼る日々を過ごしている話、100人を超える人の葬儀をまさに不眠不休で短期間で執り行なった葬祭会館の人の話など。

 東日本大震災から、年月は確実に流れてはいるが、真の復興まではまだ果てしなく遠く不透明な道程であり、さらに新たな諸問題が発生しつつある。それは、家庭裁判所の調停委員として関わる事件の内容の推移からも伺える。土地家屋の相続問題や夫婦関係問題・子どもの養育の問題等々。

 復興や避難生活を支援する側も、支援される側も時間が経過するとともに疲れがたまっていく。
 そのような時こそ、心を労る時『心潤びる時間』が必要だと思う。

 昨年の秋の初めごろから、地域の婦人会の組織・趣味の太極拳クラブのメンバー・友人や知人に声をかけて、「心潤びる小旅行」を意図的に実践している。那須平成の森散策・仙台光のペイジェント・築地柴又初詣に・お台場豪華ランチ・その他いろいろ。皆で支え合いながら。